楊柳科　柳譜

日本語

○又但州城ノ﨑郡の南部六万ノ庄辺ハ重もに柳行李を製造して生活を立る地なるに一般の不景気に連れ一時ハ一組十二円余もしたる品の三円五六十銭位となりても買人の少なきにかてゝ加へて同所ハ格外の低地なれバ旧藩の頃ハ他の貢納直段より四割五分方も減じて金納なしゝが地租改正後一般の率に改められしに、本年六七月の頃三四回の洪水に稲ハ大半水浸りとなり僅に収穫したる分も上にして青米中にして白粃下ハ殆ど白米に製する能ハず、其れ是れの困難に租税不納にて公売処分を受る者多しとハ一として酸鼻の景況にあらざるなし、明治十七年十一月十七日、【朝野新聞】、コリヤナギ