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引用
『雑』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-01752)
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ID
M2005033014401411086
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠蟲譜
書名
別タイトル / 旧書名
Vol. 007 雑
巻次
007-031
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
{【笈埃随筆】、朱書}○幽斎云、丹後在城の時、城州井出の蛙をとりよせて池に放ちおかせ給ふ、その種今に残りたるゆへなりと語りぬ、実さもとおもひて世に申伝へしも浮たる事にもあらすと感し、いよいよこころをよせて聞り、又爰に一種のものあり、その声麗々と清く澄て、初夏より中秋の頃まて水底にありて鳴、是を河鹿といふ、勢州鈴鹿川ハ殊に多く声津鈴を振ことく鳴ハ、川の名も是より名付たりと聞り、諸州にもあるべけれと、田舎の事なれば只常にして聞過ぬべし、京都にて八瀬川、鞍馬川なとの山谷の流にあり、好事の人は行て聞なり、しかるにこの魚水上に出す、石の下に隠れて鳴ゆへ、容易に取得かたし、もつとも形小く甚迅速の扨(もの)にて水底にあればまた見る事少し、然るに何の十蔵とかやいふ人、能々これを飼馴して、常に小籠に水を以てこれを養ひ、鳴すへきとおもふ時ハ自らその鳴声を真似て聞すれは、すなハち籠よりも同しく鳴なり、後ハ江府にいたり諸侯かたにまねかれて、それを聞さしめて燕興を添しとなり、嘉栗六郎か同性なるもの、先年川鹿を養ふ、それハいかにも蛙の形にて色黒く、足径細きものなり、是ハ冬籠に入て封し暖かなる所の棚にあけておき、春になりて取出すなり、又石持ごりの大きなるを俗にうしぬす人といふ、これも能鳴物なり、東川にも西川にもありてかならす夜に入は鳴なり、されハ此食経本草等の説も破難し、一名二物と心得へきか、殊に此飼置る河鹿ハ数年所持す、初冬になれハ諸虫魚と同しく熱するにやいつしか干魚の如し、そのときハ湿り
来歴・典拠・由来
笈埃随筆
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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メタデータのライセンス
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