蘇鉄科
引用
『蘇鉄科』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-15186)
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ID
M2005033019111034854
コレクション内カテゴリ
- 錦窠植物図説
書名
蘇鉄科
別タイトル / 旧書名
Vol. 141 蘇鉄科
巻次
141-048
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
に歳偶々凶歎(ふさく)なるに際し、食尽き糧絶て、民人飢饉に泣(な)きける折程、氏初めて令を下し、右周囲一里の地内に栽培せしめたる蘇鉄を切る事を許し、尚且つ之より食物を製する法を教示せしに依て、島民多く飢饑の苦みを免かれし由、救荒の予備となす為めに、我南陽地方に栽培し置くにハ最も好き植物なりと云ふべきなり、此植物ハ全く成長するに及んで実を結ぶなり、斯充分に生長して実を結ぶ前ハ厚き外皮に蔽はれ、其木質ハ恰も海綿状なる数多の髄(ずい)より成立ち居る者なれども、結菓の後ハ其質頓に一変して所謂中空状をなす者なれバ、之を切りて食物を製さんと欲するにハ、其よき程に成長して未た実を結ばざる中に切取るべし、此植物より食物を製する仕法ハ甚た容易なり、其法之を切りたる時数多の髄より成立ちたる木質、即ち海綿状の者の外皮を除き去りて、此木質を搗砕き、桶に入れ再三水にて揉洗ふべし、然る時ハ繊緯質を分離して澱粉のみ其底に残る者なれバ、之を乾かして菓子の如き塊斤となして蒸餅(パン)の如く焼きて食ふべし、此ハモルカ島辺の食法なり、右澱粉を欧州の市場に販売して利益を収めんと欲するにハ、右粉幾度も桶の中にて節(ふるひ)にかけ、之を燥乾し粒珠となして売出すべし、貿易上の通語にハ此粒珠を称して「ベールサゴ」と云ふ、恰も仙台あられの如し、之を煮汁に入れて食料に
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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