瑞香科

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【東京日々新聞　十五年五月廿二日】○雁皮栽培法、本邦紙料の質良好にして時に雁皮紙の若きハ海外輸出の端緒を開き、既に印刷局に於ても之を抄製せらるゝを以て雁皮の需用漸く将に多額ならんとす、而るに其雁皮樹は従来天然生に止り、未曽て之を栽培繁殖する法を聞かざりしが、頃者其栽培法を岐阜県勧業月報（十四年十一月刊行）に掲載あり、乃ち抄録して以て更に報告す、庶幾くハ此法に由りて該樹を繁殖シ竟に海外輸出の端緒をして漸く阜かんならしめんことを、本年四月中雁皮の種子を本課より静岡勧業課に請需せしに、該県下伊豆国田方郡神島村農梅原寛重氏所述の雁紙樹栽培書を該種子に副へて送付せられたり、因て茲に記して栽培の考証に供ス、植地、雁皮を栽培するにハ赤土又ハは白赤の堅土にして穀菜に適せさる土を佳とす、総て山畠の瘠地或ハ向陽傾斜の地に応じ、又常に日光を受くる所の新開の山野に植えるも可なり、而して北陰谿間等にハ繁殖せざるものなり、種子の栽期并貯方、雁皮ハ大暑の候より立秋の間に黄色の小花を開き、其葉互生するのを正とす、黄雁皮と称する