石南科

日本語

伊勢保是也といひ、又康頼本草には茵芋、和名おかつゝしとありて和気氏某の注を載せて私家旧記云、和名アセホノキとあり、アセホナル、アセミの訛れるなり、以上の書に拠るに古也、茵芋にツヽジとアセミとの二訓あり、又馬酔木にもツヽジとアセミと二訓あり、され茵芋と馬酔木とハ同物異名とこそおぼゆれ、且既にいふが如く万葉集に馬酔木とも、茵をもツヽジに充タルハかたかた同物なること疑ひなきやうなり、｛ナルホド是ハ高説ノ如ク一物両名ナル歟知リ難シ、若シ果シテ然ラバ、今云アセビノ方カ、若クハミヤマシキミナル歟、一品ニ片付サルベカラズ、之ヲミヤマシキミトスルモソノ確徴、朱書｝／和訓抄ニ■リは野諸ノ記ニ赤キ実房ヲ茵芋也ト云ハ是ハ惣常ノミヤマミ／なとしたるハ馬酔木といふ、るものにて馬酔木の酔（宇、訂正）字といへる、酔字の義に同かの羊躑躅に対して羊躑躅ハ漢名なるをこれに対して此名にて馬酔木の／｛馬酔の名ハ実ニ此樹ノ毒ナルニ因テ瞑朦シテ実ニ酔、朱書｝