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薔薇科 桃譜

引用
『薔薇科 桃譜』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-06994)
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ID
M2005033016200121646
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠植物図説
書名
薔薇科 桃譜
別タイトル / 旧書名
Vol. 045 薔薇科 桃譜
巻次
045-060
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
新たに人民の移住せし地の如きハ、菓実を喫するが為め唯に体躯の強壮を得る而已ならず、病苦医癒するに於て其効少なしとせず、余嘗て一書中に於て博士ヒー、エツ、ダンクリー氏の菓実の疾病に功験あるを説し一話を閲せり、曰く今を距ること三十年前、ミツリー州中を旅行せしに、此地未だ菓樹園に乏しく、肺膓并ひに他の悪症の流行甚しくして、為めに死去せしもの僅少ならず、然るに博士デ某氏ハ之を医するに他菓実の欠乏なるが為め、橙子檸檬の二菓実を用ゐしに、其効医薬の上に出で大ひに非命の死を救助し得たりと、当時菓園到る所相望み、悪症流行の患殆んど絶えたるか如く、稀に其流行に際するも其勢の猛からずして平癒の期、又前日に比すれバ大いに速かなりしとぞ、鳴呼菓実の人生に益ある亦大なる哉、余性菓木栽培を好み、又菓実を嗜む、特に桃の如きハ余の最も愛するものにして、其味ひの美なる甘酸、其中を得、淡にして濃ならす、菓時の杯を傾くるときなどハ之を以て無上の下物とせり、好桃の余、桃譜一篇を掲げて聊か同好の士に示す、桃ハ五木の精たり、能く百鬼を製すと支那人之を称して仙品となす、其性早く実を結ふ、俚語に桃栗三年柿八年と実に生長の速かなる他樹に優れり、然れとも若し之をして天然に委し、剪枝稀踈の法を施こさざる如きハ、結実の後(年、朱引訂正)二年に樹勢を害し、結菓力を減ずるものなれば、秋冬の交落葉の後、未だ嫩芽の発展せざるに先(さきだ)ち、充分に枝条を剪採すべし、或ハ刀を以て
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
備考
続き
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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