正曲宗論集
引用
『正曲宗論集』(名古屋大学附属図書館所蔵)「名大システム 古典籍内容記述的データベース」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n004-20230901-00913)
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ID
j586
コレクション内カテゴリ
- 神宮皇学館文庫
書名
正曲宗論集
書名ヨミ
セイキョクシュウロンシュウ
別タイトル / 旧書名
正曲宗論集
書名備考
原題簽欠。書名は内題による(或いは内題は入木か)。柱題「三問答」。書題簽左肩無辺「正曲宗論集〈全〉」。
数量
1冊
寸法・大きさ
26.5/17.4
丁数
29
原装・改装
原装
版写
版
書型
大
成立
序跋なし。無刊記。万治寛文頃、上方版。
成立推定
近世前期刊
内容注記
宗論物の仮名草子。かなを多用した漢字かな交じり。所々に俗語を交える。絵はなし。冒頭部九丁程は太閤秀吉の業績を礼賛、近世期の版本には珍しい内容。以下は、秀吉の母公大政所逝去後、大仏妙法院門跡で行われた千僧供養に道俗男女が群集、折しも三月下旬、阿弥陀峰新日吉社辺で花見をする五十前後の俗人三人の宴席に、通りかかった真言宗、天台宗、禅宗の三名の僧が招き入れられ、俗人と宗論をするという趣向。宗論の要点は以下の通り。①(天台宗の僧より浄土宗の俗人へ)自力他力は車の両輪であるのに専修念仏を勧めることの不審。②(禅宗の僧より日蓮宗の俗人へ)日蓮が諸宗を誹謗することの不審。③(真言宗の僧より一向宗の俗人へ)心の善悪により極楽地獄へ行くものであるのに阿弥陀の願力に頼ることの不審。最後に世俗の人々の浅薄な信心ぶりを批判し、「人間五十年ゆめまぼろしのことし金銀をいかほとたくわへても夢にかねをひろうがことし返々正しき正路をたしなみ朝には神たうをおもんし天下太平国土あんおんしそんはんじやうじゆみやう長久といのり夕へには経念仏妙法のたいもくをとなへ二しんしやうりやうとんせうぼだい三がいばんれい六しんけんぞくうえんむゑんないしほうかい平等りやくとゑかうして仏だうをとげらるへきものなり」と締め括る。巻頭八丁程は、本能寺の変以降太閤による天下統一の過程が語られる。冒頭部「抑とよとみのあそんひてよし大かうは。そのかみは。をたののぶながきやうの。家臣なりしが明智ひうかのかみみつひでへつしんをくわたてらく中本能寺におひて。御はらめさせ。天下を十三日おさめたりといへ共十方に大てきをかゝへ。やすきこゝちなく。かりそめに西のおか。せうりう寺のしろをかため。本陣にさため四方にぐんひやうをたてならべ。はりばんをすへ。てつほうをうち…」。
旧蔵印・識語
印記「梛水」(朱方印)「雅橋」(朱白文方印)。識語「本光院殿薫南凉地大姉御遺物/西行記上人説法書正曲宗論集三部之内/元禄三庚午霜月四日請之/□忠広(3字墨滅)」「赤石性□□人(6字墨滅)」(以上見返裏)・「小嶋や安次郎」(後表紙見返裏)。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
請求記号
188-Se
備考
原装縹色表紙、卍繋・牡丹唐草文(空押)。茶色覆表紙を付す。四周単辺11行。○版心下部に丁付、一、三~三十。「二」丁落丁。○寛文無刊記書籍目録以下の書籍目録に「正曲宗論」1冊として著録。国書総目録によれば外に旧彰考に1本のみ。
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
無
コレクション
名大システム 古典籍内容記述的データベース
名古屋大学が所蔵する和漢古典籍について、書誌だけでなく内容までも詳細に記述したデータベースです。