松柏科 松譜
引用
『松柏科 松譜』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-17104)
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ID
M2005033019514236786
コレクション内カテゴリ
- 錦窠植物図説
書名
松柏科 松譜
別タイトル / 旧書名
Vol. 139 松柏科 松譜
巻次
139-009
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
(即ち一万四千二百八十エークル)の新地を得たり、是故に同国政府にてハ頻りに此松の蕃殖に力を尽し、ヲソンメ及び「バスデカリス」等の人民所有地へ官費にて之を植付け、千八百七十六年度にハ七万八千五百十五「ヘクター」四六、即十九万四千五百三十五エーカルの地に此松を植栽したり、同国政府ハ之が為に其歳入の租税額を増したること十三万フランクなりと、其利も亦甚た大ならずや、嗹国政府にてハ今より凡そ百余年前に海岸の沙地へ適宜の良木を植付けたるに、今や木材に富むに至れり、我国の如きも漸く樹木濫伐の流弊に陥らんとする状況なれバ、早晩木材に匱乏を告くるの不幸を見ることなしと謂ふ可らず、故に沿海の民家にて此松を栽培しなバ、将来必らず大利益を得ん、米国の土木局にてマサチューセツ州のケープコッドを改良せんため、沼より沙を盛り揚げて六インチほどの高さをなし、之に苗木植付くること総計十万箇処に及びたるに、稍その成功を見んとするに至れり、此の如く欧米諸国にてハ其沿海の地に樹木を植付けて其地を広め、漁者のためにハ魚類を集め、住民のためにハ田地を肥し、薪材を多くす、我国亦安くんぞ其法に倣て大に民利を扶け国益を興さゞる可けんや、吾輩ハ明治十五年の年頭に発刊する雑誌紙上に於て最も瑞祥なる松の説を読者諸君に開示したり、是れ吾輩の甚た幸栄とする所なり、蓋し今より数年の後、海岸荒蕪の沙地に悉く此海岸松の秀づるを見、一兵を労せず、寸鉄を用ひずして
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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