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松柏科 松譜

引用
『松柏科 松譜』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-17103)
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ID
M2005033019514136785
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠植物図説
書名
松柏科 松譜
別タイトル / 旧書名
Vol. 139 松柏科 松譜
巻次
139-008
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
て之を試植したりと聞けり、昨年府下上野公園地内に内国勧業大博覧会の開設ありし際に、美術舘として用ひたる建物の後庭に植栽したれば、其樹勢の雄壮なると、其葉色の秀麗なるとは該塲を巡覧せる人必らず之を知らん、此樹ハ生長甚迅速にして容易に喬木となり、薬を製し、「テンピン」油を取り、板となし、柱となし、薪材となすへし、而して之を栽へたる地ハ、独り其風景を添る而已ならす、海浜の家屋をして風害に罹るを免かれしめ、風浪の為めに沙土を捲き去らるゝの害を防きて能く新沙阜を作らしめ、海浜の農塲を増大なること夥しきの効能あり、是を以て仏国にてハ政府も人民も皆この海岸松の利益を称揚し、ラテスタと云へる地方にて此松を植付け、是より隔四年に交互松脂を取りて其生計を立る看あるに、播種後此に二百七年余年(但し松脂は発生後三十年ほと経過するに非ざれバ取りはじめず)を経たるも未だ其衰弱の色を見ハさじとぞ、又聞く、同国にて舩艦なとを塗るにハ皆この海岸松より得たるチヤンを用ふと、米国にてハ是まで自国に産する野生の松より「テンピン」油を取りしが、海岸松ハ之を産出するの量殊に多けれハ、屡々実験したる後、終に夥多の海岸松を欧洲より移植し、今ハ南部諸州よりテンピン油を産出すること夥しと云ふ、仏国のシロンダ及ビ「ランテス」の海瀕に夥しく此松を栽培したるに、植栽後十五年間にして十二里半の砂阜を増し六千ヘクター
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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