棕櫚科　上

日本語

桄榔附説、【蘭畹摘芳　四篇巻二三】、琉球産ツク、クロツクト呼ヘル樹ハ桄榔ナリトイフ、徃年八丈島ニ移シ種ヘテ近時繁茂スルモノヽ図、状ヲ見、コレヲ「ウェイマン」ノ写真草木疏ノ諸図ト参攷スルニ、「ハルム・ダクチヘラ」、和蘭ダーデルボーム又ダーデルタラーケンテ、バルムボーム、ト称スル者コレナリト見ヘタリ、疏中詳説アリ、一読了シテ姑ク訳ヲ闕ク、其産地ハ欧羅巴洲ヨリ東方ニ当ル諸国、亜弗利加洲ノ阨入多（ヱゲブテ）又「セーリーン（西斉里亜）」、イエデアヽ如徳亜、百爾西亜亜臘皮亜、オヽスト・インチーン、印度地方ヲ斥ス云々、欧羅巴洲中ニテモ厄勒西亞意太里亞、「ソイト（南）・フランコレーキ」ノ好事、コレヲ培養スル者アリ、然レトモ右ニ列スル東方暖国諸地ノ如ク生長セス、長スルモ亦甚タ遅シ、尤花ヲ著ルコトナシ云々、「パルムト称スル者凡ソ六種アリト、其名ヲ挙ク、椰梹榔、桄榔等其中ニ属ス榔ハ「パルマ、カラッパ又コツクス」ト呼ビ、又パルマ・コッシヘラチリアンキュラ」ト呼者アリ云々等ナリ、余ハ未タコレヲ考ヘス、茂質等嘗テ内旨ヲ奉シ西士「シヨメール」撰スル所ノ鹿物韻府ヲ訳ス、其中ニダーデルボームノ略説、既ニ訳成ル者即左ノ如シ、但桄榔樹皮中有屑如麫云云々、麫木ノ名アル等ハ訳説中コレナキヲ異トス、東西各其聞所ヲ録シテ互ニ小同大異アルモノ歟○シヨメール曰此物パルムボームノ一種ナリ、聳直大幹ヲ成シ（本綱集解桄榔木大者四五囲高五六丈）コレ漸ヲ以テ高大皮ハ鱗屑様ヲ為シ、此皮ハ截リ去リタル葉ノ古キ梗ノ残リタルモノヨリ成ス所ナリ、本綱集解栱直無旁枝嶺頂生葉数十破似棕葉）幹頂ニ長ク