松柏科　公孫樹譜

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【時事新報】明治三十年九月廿四日ニ左説アリ○銀杏精虫発見ノ結果、過日ノ紙上ニモ記載シタルガ如ク、植物学者平瀬作五郎氏ガ昨年ヨリ本年ニ掛ケ「イテウ」ノ樹ノ精虫作用ニ依リテ実ヲ結ブモノナル事ヲ発見シタルニ付テハ、従来ノ分類ヲ一変シテ別ニ「イテウ」科ノ目ヲ新設セザル可ラズ、植物学上ノ一大発見ト云フモ愧カシカラヌ次第ナルガ、帝国大学植物学教室ニ於テハ、過報此発見ノ端緒ヲ開クト共ニ研究ノ次第ヲ略記シ、欧米各国ノ著名ナル大学及ヒ植物学舎ニ寄送シタルニ、何レモ学者ノ注目ヘ方ナラズ、速ニ「イテウ」科ノ目ヲ新設スベシト論スル者アリ、後（オク）馳セニ同樹ニ付キテ研究ヲ企ツルモノアリ、殊ニ学問ノ淵藪ト云ハルヽ独逸ニテハ学者ノ詳論区々ナリシガ、精確ナル学問上ノ発見ニハ如何ナル者モ口ヲ噤ンデ黙従セザル可ラズ、先頃イヨイヨ「イテウ」科ノ目ヲ新設スルコトニ決シ、彼ノ国ヨリ渡来スル植物教科書ノ中ニハ既ニ（別、訂正）附紙ヲ為シテ同科ヲ新設シ、下ニ記シテ日本植物学者某ノ発見ニ依リテ此科ヲ設ク云々ノ添書ヲ為シタルモノアリ、又同国ノ老学者ニシテ現ニ植物園長及ビ同大学ノ分類学者ヲ教授担当スル有名ナルブトルラヱングラー氏ハ数多ク学者ヲ集メテ十数年来全世界植物絵ノ編纂ニ従事シ居リシガ、此程新刊ノ附録ニ各発見ノ次第ヲ詳記シ、併セテ前代未聞ノ「イテウ」科ヲ新設シタル旨ヲ記シテ帝国大学ニ送リ

時事新報

平瀧作五郎

「伊藤圭介」の朱印