茅荑科

日本語

なれは凡白橡といふには三等ありと心得て其人体によりて分別すへし、源高明西宮記に天皇白橡の御服云々とあるハ是奴婢の白橡はハあらす、赤青のふたつを通して云たる也と式説にミゆ、さもあるへき也、同記に主上出御赤色御袍とあり、式部卿重明親王吏部王記に内宴日主上着御赤白橡の闕脇袍及靴、王公侍臣着白橡闕腋袍魚袋餝劒、北山抄に仁寿殿出御赤白橡、源氏乙女の巻にあり、色のミそ奉れり、赤色或赤白橡、是皆橡の字黒の字に見て子細なし事なと説する名ならは橡その薄を白橡といひ、濃とのミいふ、俗黒橡と云宜からす、神にいふハ前段に云ことく黒の代りに用ひし故事也、後世五倍子鉄漿を加へて真黒になして橡の名を用ひたる故に遂に橡を入されとも薄黒を白橡といひ、濃を橡と称することになれり、されは後世諸抄又は凶服抄なとに出たる白橡は浅鼠色にて黒橡は黒色也、凶服は布又は平絹、吉服は有紋の違はあれとも皆ふしかね■のミ也、そのふしかねにてハ臭くまた朽ることはやき故に下地に蘓芳の木をよく剪しまて、其うへを

「伊藤圭介」の朱印