殼斗科　椿木科

日本語

はり、榛をよみたり、榛に二等あり、延喜式にハシハミとよミたるは詩の鄘風に詠する榛栗の榛なり、紀及万葉によみたるハハリは杜詩に詠する榿木、即今いふハンノキなり、さて万葉集に榛を針波里真榛をマハリ榛原と針原また草圣針といふは其葉のかたち波里に似たれは名とせる也、また紀に榛蓁ともにハリとよみたり、記の波理能紀も紀の榛なるへし、又紀及衣服令に蓁摺ハリスリ、順抄に遠江国蓁原を波伊波良、武蔵国榛沢を波牟佐波、是蓁榛通用、又掃部をカモリともカモムともよめり、是ハハリハム通用のしるし也、万葉集中に榛をハキとよみたる也、同集の芽子（ハキ）及波芸と混し誤て訓せしなりことに、集中に波里をよみたる歌十首余あるへけれと、はな花をよみそへたるハなし、されハハムノキなること明かなり、年山記聞且久老ら槻の落葉なとに既にはやく弁しあにしたるをもみつへし、【国史草木昆虫攷　巻六】