薔薇科

日本語

木瓜、［一名］鉄脚〓【花鏡】、［和名］ボケ、貝原氏云、ボケ、木瓜ノ転語ナリト云々、薬ニ入ルニハカラボケヲ以テ上トス、享保年中漢種木瓜ヲ伝ヘテ今世ニ多シ、樹一丈斗、葉ニ先テ春月花アリ、五弁紅色ニシテ深紅ノクマアリ、形尋常ノボケト同シ、秋月実ヲ結フ、小瓜ノ如クニ形榠（メイ）楂似テ小、味酸ク香アリ、核（サネ）黒色ニシテ稜アリ、一種花淡紅色ナルヲカイトウホケト云、枝幹刺アリ、花実ノ形又同シ、一種ヒボケハ花淡赤色ニシテ実円シテカイドウボケト同シ、以上二種香味酸シテ食フベカラス、皆鼻ナリ頭尾凹ナリ、又薬用スヘシ、一種シトミ、一名クサボケハ山野ニ多シ、高サ一二尺ニ過ス、子ハ水瓜ニ似テ円ク、味酸渋食用スヘシ、薬ニ入ス、是雷斅説トコロノ蔓子、或ハ土伏子ノ属也、一種カイドウボケノ如クニシテ白花ノモノアリ、薬店ニテ榠楂ヲ縦ニ切乾シ、真ノ本瓜ト云売ル、木瓜ニ非ス、貝原氏云、水瓜ト鰻〓ト同食スベカラスト云々、｛【本草穿要】、朱書｝／木瓜（ぼけ）【本草】、からぼけハ花紅し、さらさぼけハ淡紅色なり、緋ぼけハ甚だ赤し、又白花もあり、正二月接べし、寒中二三度も根廻へ人糞をそゝけバ花実多し、又狗の糞を用ると花鏡に見へたり、｛【草木育種】、朱書｝／○木瓜、トウモケ、二三月花ヲ開ク、深紅淡紅白ノ三色アリ、春分ノ比接（ツグ）ベシ、寒中人糞ヲ澆ゲバ花実多シ、主治脚気／樝（ほけ）、木瓜の類なり、木瓜にハあらす、三月に花をひらく、紅花あり、淡紅花あり、又榠樝（めいさ）といふ物京都にあり、大木あり、俗これをくハりんといふ、花ハほけに似て実大にして瓜のことし、秋冬にいたりて熟す、かうはし味すし、是を用て木瓜に代て其性同し材に用る、花梨（りん）にハあらす、【花譜】／樝（ボケ）、｛【松前志】、朱書｝、他国ノモノトオナシ