漆樹科

日本語

掻、漆工ノ称スル所ノ品目ハセシメウルシ、ヨシノ｛（吉野）、朱書｝ウルシ、朱ウルシ、ロイロ｛（蝋色）、朱書｝ウルシ、花塗、ナシヂ｛（梨子地）、朱書｝ー、シュンケ｛（春慶）、朱書｝、タメ｛（溜）、朱書｝、真ノタメ、等ノ（品目、朱引抹消）、ハナウルシアリ、○（木、訂正）此材質ハ粗ニシテ軽軟肌白ク、中部深黄ニシテ（頗ル、訂正）鮮美也、諸器匣箱（ヲ、訂正）ニ作リタルニ頗ル■ル（宜シ、抹消）ヘシ、漆器ハ本邦ノ製、精巧ニシテ海外ニテモ｛諸国之ヲ賛賞セシ也、朱書｝（有名ノモノトス、漢土ノ漆工ハ実ハ蝋ニ製、頗ル粗ナレバ我邦ノ製ハ海外ノ、朱引訂正）諸国之ヲ賛賞セリ、日本漆ノ名高シ、○此樹ヲ栽ルハ（実カ下種スルハ、抹消）春分前ヲ宜シトス、又実ヲ下種スルハ春分後十日ヲ期トス、ソノ早ク発芽スルモノハ皆雄本ニシテ、次ニ発芽スルモノ雌本也、○（此液人稟賦ニ因テ之ヲ、ツシク、微ク、直コク液ヲ忽チニ痒瘡ヲ発シ、覚ヘ、皮膚ニ触レハ漆瘡ヲ発ス、蟹ヲ砕キソノ汁ヲ小敷スレハユジ、能ク此毒ヲ解フ毛蟹至テヘヲ食フ等、腫レ全身疹ヲ発シ痒瘡堪難、抹消）山椒亦効アリトゾ、物を接に用ゆる故つぎうるしとも云、日州ヨリ出るは小細工に用ゆ、和州吉野・紀伊熊野ヨリ出るは力弱くつやうるしと云、上ぬりに用ゆ、彩色に用るは吉野を上とす、○日本山海名物図会三漆製法漆の木に鎌にて切目をつくれば、其切目より汁ふき出るを竹べらにてこそげ取也、こそげ入るうつは物に茶の濃きせんし汁を入、くるみの油を加えて其上へ漆をこそげいるれば漆やけずしてよしといへり、凡漆を取には至てほそき木は汁なし、又格別の老木もわるし、和州吉野・紀州熊野うるしの名所也、其外諸国より出うるしの木の実は取て蝋にする也、○和歌十種ノモミチノ中ウルモミヂアリ、是也、