橙橘科　橘譜

日本語

金柑、金柑は通名なり【橘録尺素往来】また比米多知波奈（ひめたちはな）といふ【多識編】今種樹家おほくこれを養ふ其葉細小花橘に似て実を結ふ、大さ枇杷の如にして色黄なり、毎歳美濃の郡上郡八幡（候、抹消）より此物一箱を江（東、訂正）都に奉る武（貢す鑑、訂正）一種金橘あり、橘俗に豆金柑をいふ、又山金柑【橘録】金豆【本草綱目】となづく、実大さ櫻桃の如し、又牛奶金柑あり【汝南圃史】今これをナカミノ金柑といふ形長して頗る棗の如し故にまた金棗と名つけ【泉州府志】また馬柑となつく【江陰県志】時珍以下汝南圃史等は、すへて金橘を以て金柑と同種とす、正に橘録のする所と其説全く異なり、佐藤成裕云一種金柑薩摩人名曰、大実金柑其葉似金柑其子如回青橙而大色味与金柑無別【琉球百花図】今按に時珍金橘給客橙を一種とせし、給客橙は蓋し此大実の金柑をさしていへるにや、然らされは金橘の小なる物と給客橙の大なる物と混同すべき其故をしらす尚可考、橘録云金柑比他柑ニ特小其大者如銭小者如龍目色似金肌理細瑩円丹可翫噉者不削去金衣若用以