橙橘科　文且譜三

日本語

香橙【花鏡】、九州四国紀伊等の暖地にては多く実を結、冬中根とりを掘人糞に灰をまぜ多入又獣肉をよく腐して入たるもよし、七月肥をさるを志虫を生ると花鏡に見へたり、夏中虫を去べし、二月頃よび接或きりつぎにしてよく活物也、尤砧は皆枸棘（からたち）に接てよし｛【草木育種】、朱書｝／クネンボ／橙、和名、クネンホウ、｛江西人　亀協徒、朱書｝香臭二種アリ、本條ハ香橙也、臭橙ハダイダイカフスト云、蚊ヲフスフルノ略語ナリ、此ノ書ニ柚ノ一名トスルハ誤也、幾年モアリテ春青クナリ、熟シテ黄ニナリ、又来年ノ春青ミ回ル、漢名、回青橙明ノ黄仲昭、八閩通志ト云、和名ノダイダイモ此ノ意ナリ、本條クネンホウハ形タイタイヨリ小ニシテ赤色ヲ帯フ、円クシテ少シ扁シ臭橙ハ正円也、香橙味甘ク美ニシテ、香気アリ、香橙ノ名群芳譜ニ出ツ、一名蜜橙【花鏡】、天春【事物異名】