橙橘科　文且譜一

日本語

花柚、実小サク熟シテ柑ノ如キ大サ也、味悪シ小木皮ヲ取テ食物ノ香ヲ助クルマデ也、花亦用ユ、漢名邏柚【広東新語】、此実久シク樹ニアル物ユヘトコユトモ云｛【大和本草会識】、朱書｝／【和訓栞　由之部　三十四】柚ハ東国ニユズト云、和名鈔ニ和名ト記セレド音ヲヨフ也、花ユト称スルハ蟹橙也トイヘリ、常柚アリ、常ニ実存ス、安永元年伊勢ノ津ニ柚ノ木ニ多ク実ノリシ中ニ蜜柑一ツナレリ／巾着柚、柚肉をさり皮を湯煮し小豆の越粉に葛すこし、砂糖すこし干瓢にて巾着のごとく緒をとをしむすび、せいろうに酒のかすを敷むし、平物に用油にて揚るもしかるべし【料理山海郷　二】