自イ至ホ
引用
『自イ至ホ』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-01497)
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ID
M2005033014355510589
コレクション内カテゴリ
- 錦窠蟲譜
書名
自イ至ホ
別タイトル / 旧書名
Vol. 002 自イ至ホ
巻次
002-087
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
○海蛇、英船ハンネル号の船長ウヱリヤム、テーロルハ南ナルトセーの出生にて漫に虚誕を伝ふるか如き人にあらさるが、左の如き話を九月二日刊行のアマルテーン新聞に投したり、本年四月二十五日、南緯十二度七分、東経三十九度五十二分に方り、然かも天気快晴、大陽〓頭に耀くの時、忽ちに船の震動只ならさるを覚へしかバ、二等水手をして何事の生せしやを視察せしめたるに、軈て返り来りて余を舳辺に誘ひたり、至り見れハ、一頭の海蛇船嘴を噛んて船を震動セリ、水面を出ること凡そ三十尺にて、其尾を遥か艫辺に見たり、計るに全長凡そ三百尺もあるべし、其太さ婦人上着を纏ひし程にて、頭部に黒き毛髪を生し鬣逆立ち、額に双の角を蓄へ、眼ハ鼻に接して光り、人を射る計り、頤の長さ八尺あり、余か舳辺に立て窺ひたるを心付かすや、頻りに船嘴を含んて震動止まさるものから、四辺為めに白浪を起したり、其猛力の驚くへきハ、帆を充分に孕みて一時十里を?すへきの船を止めて進むこと能ハさらしむ、其舳辺を放れて舷辺に至りしときハ、恰も汽鑵の破裂せしかと怪まるゝ計の響を起したり、折柄一里以外に一頭の鯨浮み出てしに、忽ち船を捨て彼方に馳去りしか、其迅速なること電光の如く、尾を以て激しく船辺を打ち、船殆んと傾く計りなりしか、夫より如何せしや、再ひ見へさりけり、右の地方ハ、モザンヒクの内海を距る凡そ四十里の辺りなりし、明治十九年二月三日【報知新聞】
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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