葇荑科
引用
『葇荑科』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-14967)
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ID
M2005033019061734635
コレクション内カテゴリ
- 錦窠植物図説
書名
葇荑科
別タイトル / 旧書名
Vol. 121 葇荑科
巻次
121-062
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
人の語りしといへ之侍従のかたられき我性のとし箱館に行し時炭やくことを見しか此木を用ひしやうに見えし、或人ノ曰柧稜、和名曽波乃木、四方木也、此名和名抄ニ出、按ニソバグリ也、又此木ノ浮炭(ケシズミ)ハ四角ニ砕クルコト方解石ノ如シ、此木子三角ニシテ蕎麥子ニ似タリ、因テソバグリ、ヤマソバト云、ブナノ木又ブナグリト云、山人転訛シテ今ブンナグリト呼ブ、此木ニ生スル蕈ハ毒アリ、其形茎傍ヨリ出テ飯鍬ノ如シ、山人呼テオメキト呼フ、誤リ食ヘハオメキサケビテ止ズ、多ク啖フ者ハ死ニ至ルモノアリト蘭山語リキ、去ナカラ此子ニ毒ナシ、土民採食テ害ナシ、此枝葉ヲ剉ミテ煎服スレハ放屁快出シテ疝気立処ニ平愈スト聞リ、此枝葉山方ニ多シ、取寄用試ムヘシ、江戸近山ニハ絶テナキモノ也/○箱根ニテツタト称スル梚モノ并ニ山毛欅ノ伐木ハ他樹ト異ナル説、小森頼信、【博物雑誌 七】、夫山家ノ材片ヲ以テ器具ヲ製スルハ楢漁村ニ於テ介殻ヲ用ヰルガ如シ、故ニ信州ノ木曽、野洲ノ日光、豆州ノ熱海、相州箱根等ニテ旧来箱、匣、皿、盆ヲ作リ、又ハ轆轤ヲ用ヰテ小器、玩具等ヲ製ス、而シテ之ヲ装飾スルニ或ハ漆ヲ用ヰ、或ハ蝋ヲ塗リテ其紋理ヲ美麗ナラシム、茲ニ腐斑ノ最美ナルモノアリ、之ヲ箱根方言ツタト称ス、此類数種アリ、曰朴樹(エノキ)、ヤシヤノキ、即日光ブシ、ソロノキ、七葉樹(トチノキ)、山毛欅(ブナ)、樺木槭樹(シラカバモミ)等ナリ、斯ノ如ク腐斑ヲ生スル者ハ元是レ伐木ノ時ヲ失ヒ、或ハ久ク山林中ニ置キ湿蒸ノ気、其聚胞体ニ必入シテ此腐蝕ヲ為スニ至レリ、而シテ全ク朽敗セサル者ハ木体即繊維ノ独リ其質ヲ失ハサルニヨルナリ、凡ソ諸樹ヲ伐スルハ秋月輪層ノ堅固ニ至ル時ヲ以テ良期トナスハ吾人ノ知ル所ナリ、然ルニ山毛欅ヲ伐スルニ旧慣ノ方法アリ、曰ク先ツ
人名
小森頼信
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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