葇荑科

日本語

清少納言ノ枕ノ双紙ニソバノキ、ブナ、赤メノコトアリ、按洋説ニ赤メ、芽、ノコトアリ／クロフナ、比品筑前板屋五ヶ山ニアリ、箱根ニモアリ、大葉クマシテト云、クロヲモ、是ハ江戸ニテ小葉クマシテト云、犬嶋五ヶ山、板屋三ヶ所ニアリ、シロフナ、是ハ犬嶋、板屋五ヶ山ニアリ、江戸、日光アタリブナノ木ト云／｛是ハ筑前ノ人ノ話ノヨシ、シテ類トブナ類ノ混雑ス、朱書｝／｛フ木十ニ附、朱書｝／山毛欅（フナ）〈陸奥〉〈岩代〉〈相模〉〈武蔵〉〈常陸〉等ノ産、｛【十年博覧会解説】、朱書｝、樹性山沢ノ湿潤ヲ帯ヒタル地ヲ好ム、平地ニアルモノ甚稀ナリ、美濃、飛騨ノ地方ニ多シ、此樹子実極メテ少ナキヲ以テ播植スルコト甚難シ、倘陰雨数月ヲ互リテ大気水分ヲ含ムコト多キトキハ実ヲ結フコト多シ、播実ノ法欅ト略同ジ、但シ毎顆距離ヲ定メテ撒下スヘシ、貯存スルニハ窖中ニ平列シテ土ヲ覆ヒ、其上ニ藁蓆ノ類ヲ被ラシムヘシ、二十年内外伐テ材トナスヘシトイヘトモ五六十年以上ノモノ大ニ用フヘシ、百六十年、或ハ二百年ヲ伐期トス、効用、材質堅硬ニシテ欅ニ類ス、艦材ト為ヘシ、又建築ノ料トシテ所用甚広シ、其他杯椀案盤等ニ作ルヘシ、又薪炭トナシテ中等トス、其子実ハ山家ノ民採収シテ凶荒ニ備フ、所謂椈栗（ブナクリ）是ナリ／ぶな、茅栗也といへり、椈をよめるハ心得かたし○此木になる茸ハ毒ありといへり、【和訓栞　中編巻二十二】／茅栗（ぶなのき）、竃門山にあり、葉ハ栗のことく実は椎に似たり、【筑前続風土記】■■■