殼斗科　槲譜

日本語

｛【和訓栞　六】、朱書｝、かしハ、延喜式、倭名鈔に檞柏ともによめり、堅葉の義なるへし、御綱柏、長女柏、長柏、楢の葉がしハ、ほゝかしハ等の別あり、弓弦葉を酒の柏とすと見へたり、王柏、本柏、児手柏、青檞、干檞あから加しハなとハ一種の内にて形色の異なる也○大和物語にかしハに書たる文と見へたり、世すて人のさま也、何にても器物の類にかしハの名あるハ葉盤（ヒラテ）、葉椀（クホテ）の意なるへし○古事記に大御酒ノ柏とあるハ杯の事也、大嘗会式に午ノ日造酒司人別給柏、即受酒而飲、訖即為鬘而舞と見ゆ、はヽそ、檞也、式にホヽフ、またナラカシハともよみたり、いまもかく呼て薪とも烘炭ともなせしもの也、字鏡に楢を注せしも又おなし、万葉巻十九に波播蘇葉とよみたるも槲なるへし、順抄に柞、和名由之、また波々曽を注せしは槲と柞とを混（ニカ）ひたり、柞は橡（ツルハミ）の一名にして槲とはこと也、【国史草木昆虫攷　巻六】