無花果科

日本語

ウチャウク」ヲ以テ尋常ノ綿布、或ハ毛布ニ被セ、此上ニ羅紗毛ノ剪屑ニテ製シタル各色ノ粉毛ヲ撒布スルニアリ、此製布ハ甚タ強クシテ且能ク雨露ヲ避除スベキヲ以テ大ニ名評ヲ得、殊ニ千八百五十一年ニ賞牌ヲ得タリ、「カウチャウク」ノ変性スルニ奇巧ノ方法アルニ由リテ、大ニ其功能ヲ増加スルニ至レリ、而シテ其変性スルヤ更ニ新ナル物質ノ現生シタルガ如ク一種ノ異性ヲ発顕ス、今其之ヲ為スノ方法ヲ記スルコト左ノ如シ、「カウチャウク」ヲ以テ適呈ノ温度ヲ付シタル溶解硫黄ノ中ニ侵入シテ稍之ヲ吸収セシメ以テ其形容恰モ炭ニテ焼キタルガ如ク、又終ニ獣角ノ成立ヲ得ルニ至ルマテ此中ニ留ムベシ、然レトモ其変性ノ方法唯々此一事ニ止ラズ、即チ「カウチャウク」ニ硫黄ヲ混交シテ能ク之ヲ捜和シタル後ハ、之ニ華氏平温器百九十度ノ温度ヲ付スル歟、若シクハ硫黄ノ溶解ヲ維持スベキ、松脂ノ如キ尋常一般ノ溶解薬中ニ融解スルモ亦前法ト同一ノ結果ヲ得ルニ至ル、此理ヲ考フルニ、蓋シ「カウチャウク」ハ硫黄ト舎密ノ親和ヲ生スルモノナラン、之ヲ要スレバ硫黄化樹脂トナルモノニシテ、今其性ヲ枝挙スレバ左ノ如シ、此新混和物ハ温度ノ高低如何ヲ問ハズ常ニ弾