瑞香科

日本語

○三俟楮（結香）播附及培養法概略、桜井清矣、左の三俟楮播附及培養法概略は在静岡の友人某氏より余に寄送せられたる者也、所論農家を利する者尠からすと信し転送して登録を乞ふ、種蒔時節の事、春の彼岸頃圄種を出す、但八十八夜頃迄蒔ても宜し、種子圄方は前年五月中花ともに採り直に種子斗りを川砂と等分に交合せ〓の下なりとも雨のかゝらぬ地に埋め置く、但日陰宜し、風の通らぬは宜しからす、熱と大湿は忌む、苗地より移植る気候の事、苗地より取りこにして（中把にすること）畑へつけ置き、山地へ移植るなり、蒔附し翌年草木芽のはる頃三俣の芽筆の穂の如くふくれたる頃少しく開きかゝりても宜し、移植後培養の事、移植して後夏の土用前、鍬にて浅く削るへし、日光に弱き故土用中は宜しからす、又七八月頃鎌にて廻りの草を刈伏せおくべし、鍬を入るゝを忌む、翌年春は彼岸過浅く削るべし、最早根深く入れば八月になりて削て宜し、移植たる年は草にまけ日光にいたむことを恐るべし、同年は里芋を間に植るも宜し