石南科
引用
『石南科』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-10061)
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ID
M2005033017195327709
コレクション内カテゴリ
- 錦窠植物図説
書名
石南科
別タイトル / 旧書名
Vol. 075 石南科
巻次
075-092
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
{此五行ハ一字下ケニスヘクヤ、朱書}なりとハ近頃の本草家の説一定したるやう{(なれど、朱引き訂正)}{なり、又、朱書}萬葉の歌のおもむきにて{(ハ、朱引き訂正)}{も、朱書}いと愛らしく、且山中にありてよく人の目につくものゝ如し、〓木ハ其花愛らしく、人の目につくべきさまなり、しかるに万葉集のうへにてハ馬酔木と茵芋とハ、ひとつ物の如くなれハ、決めて〓木なりとも定めかたきこゝちす、しかおもふハ本集、万葉、に馬酔木の訓ツヽシとあること上にいへるか如くなるに、又巻三の歌に茵花香君(ツヽシハナニホヘルキミ)云々とありて、茵をつヽじ充たれはなり、かくて輔仁の本草和名にも茵芋和名につゝし、一名をかつゝしと見え、和名抄{も、朱書}同じ、又惟宗ノ時俊が医家千字文に茵芋華細とありて、自注に茵芋和名をかつゝし、私案あせほ是也といひ、又康頼本草にも茵芋和名をかつゝしとありて和気某の注を載セて、私家旧記云、アセホノキとあり、アセホはアセシの訛れるなり、以上の書に拠るに、古く茵芋にツヽジとアセミとの二訓あり、又馬酔木にもツヽジとアセミと二訓あり、これ茵芋と馬酔木とハ同物異名とこそおほゆれ、且既にいふが如く、万葉集に馬酔木をも茵を{も、朱書}ツヽジに充たるハ、かたかた同物なること疑ひなきやうなり、されと茵芋ハ俗にミヤマシキミといへるものにて其花さまて愛らしきものにあらすして、人のよく目小つくへきものとは見えす、よりて按ふに、古人は〓木を茵芋と誤り認めたりしにや、茵芋も本草綱目に毒草の部に收メたれはおもひまよひたるもならんか
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
備考
続き
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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