合歓譜

日本語

｛【網救外ヘン】、朱書｝金合歓〈琉球〉、アカシア〈和蘭〉、莿毬花〈臺海采風圖〉、番蘇木、同上、琉球草木冩生ヲ見ルニ葉ハ合歓ニ似テ細小葉間ニ円キ黄色ノ毬花ヲ生ス文政七年コレヲ得テ栽ユ雲実ノ属ナリ、葉ノ付処ニ一刺アリ、莢ハ細合歓角ニ似テ小ナリ、中ノ子ヲ下種シテヨク生ス、十月頃黄色香気アリ、細キ絲アツマリテ毬ヲナス、此樹ヨリ出ル脂液ハ即チアラヒヤコムナリ、和蘭ニ冩生アリ、近コロチヤンチンノ脂ヲアラビヤゴムニ充ルハ大ナル杜撰ナリ／一種、金合歓、アラビヤゴム、此物より采る脂の名なり、此物文化年中琉球より始て種渡る藤蔓なり、葉は合歓に似て小く夏月花あり、又合歓に似て一房なり、大さ四五分黄色にして、円き毬をなし、香気あり、後二三寸の莢を結ふ、此物より、採りたる脂液アラビヤゴムなり、集解蘇頌説ところに相似たり、此物尤も寒を恐るゆへ冬目窑中に蔵すへし

岩崎灌園

（灌）