豆科　下

日本語

すはう、［和］蘇枋、｛【動植名井】、朱書｝／蘇枋、蘇敬本草注云、蘇枋｛方略、朱書｝、唐韻作放｛枋略、朱書｝音与方同、俗ニ云須房｛方略、朱書｝、人用染色者也【和名抄　巻五】／蘇方木、すわう【和名鈔】、サンダリュム、羅甸、サンデルホート、荷蘭、すわうき、多邦【明一統志】、紅木【東西洋考】、巴〓居【同上】、呂東方言、蘇枋【南方草木状】、（灌）、物印忙に載る図、葉の形蔓荊の葉に似て円く長ミありて深緑色也、樹皮褐色、中心紅色、枝の梢に五弁の紅花を開く、大さ二三分あり、南方草木状に樹類槐、黄花黒子と云に類す、唯花色異るのみ也、一種、同書に載る図、葉の形女貞の葉に似て尖り葉の間ことに実を結ふ、円くして大さ指頭の如く、生なる時ハ緑色、熟すれば黒色となる、蘇恭の説に自南海崑崙来而交州、愛州亦有之、樹似菴蘿葉、若楡葉而無渋抽條長丈許、花黄、子青、熟黒ときこれなり、一種、同書に載る図、葉の形ゆつりはに似て木の心紅色なり、一種、同書に載る図、葉の形桃葉珊瑚の葉に似て長さ四五寸、木の心紅色なり、蘇方木、和産なし、材ハ舶来の物あり、長さ二三間、囲り二三尺、外皮ハ白色、中心ハ紅色也、木理直ニシテ本に気を吹入る時ハ末に通す、古渡の物ハ色深紅也、新渡の物ハ色黄赤也、これ若木の物と見ゆ、此樹をけずり薬用、染用となし、又楊弓を造り、又著を造る、小笠原島の記に兄島に蘇方あり、大木ハ色濃く、小木ハ色浅しといへり

岩崎灌園

（灌）