槭樹科
引用
『槭樹科』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-05368)
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ID
M2005033015482518443
コレクション内カテゴリ
- 錦窠植物図説
書名
槭樹科
別タイトル / 旧書名
Vol. 032 槭樹科
巻次
032-042
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
○砂糖カヘデは多く山地の膏沃にして、但寒湿なる土に生す、高さ五十尺(フート)より八十尺に及ふ、砂糖を製すべき液を采るは(樺樹ト間々為す如し)、春時多くは第二月、第三月ニ方りて此樹より之を滴出セしむ、其法地上二尺許りの高さにして尋常の錐を以て斜に上に向ひ孔を穿つ、深さ(き、訂正)半尺にして此孔の中に小さき管を挿し入る、亦間々此樹に上法と同し高さにて斧を以て下より上に向ひて打込ミ、幅と深さ共に一拇(ドイム)許りなる孔を鑿り、此内に一片の樹皮の此孔よりは稍広きものを以て之を挿む、此樋を伝ふて小管を用ふる如く、其下に置く桶に其液滴り入る、此樹只一株より春月僅か一日の間に其液一「エムムル」、二斗五升四合余、を出すも稀ならず、其沸醸するに因て糖分の減耗するを防くに毎日此液を金属の罐に入れ適宜の火に上セ蒸発して舎利別の濃さに至らしむ、且泡を去り断へす之を撹ゼて其焦着を防く、斯くの如く適宜に蒸熬する、舎利別ハ全く甘蔗糖の甘みを得て後、平扁なる盂(ハート)に入れ、温なる「バックオーヘン」蒸餅を焼く土室、の内にて猶蒸発すれは、甚た鮮美の氷糖となる、按「リュースト」ノ百工製造書ニハ石灰水ヲ加へ舎利別ヲ煮ルトアリ云ヘリ、又強く煎熬せし舎利別を深くして狭き盂に催き入れは尚清潔の品となる、是その塹滓ハ分れて下に沈ミ糖ハ浮ひて上に在るなり、猶精製すれは、全く精微の甘蔗糖の貴ミを得る(す、訂正)に至り、甘味之に
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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