槭樹科

日本語

｛【草木育種】、朱書｝紅葉、蔵玉集に色見葉といふ紅葉類甚た多し、二百余品あり、山紅葉を植て、夏の頃根廻りを少堀て、根先を切ると、きは秋に至りてよく染ものなり、惣て紅葉類は五月頃山もみじの砧へよひ接にしてよくつくものなり、切接はきわめて活ず、又槭樹（かへで）の類へは活がたし、肥に及ばず、槭樹【救荒本草】構（かじ）かへで、深山かへで、常磐（ときは）かへで、ははそのかへで、等種類多し、三月五月頃よび接にする也、砧はかへて類に接べし、紅葉へは接がたし、紅葉とかへでとは自ら別種なり、又葉小して三つの尖あるを唐楓と云は誤なり、槭樹は和産なく、漢土より渡る春花あり、穂をなして、下に垂る花と実と別の所に生ず、秋に至りて、実の大さ母指の如にして円く、形状栗の毬（いか）に似て小さく軟刺あり、これ楓毬なり、蒔植て生ぜず、根を砧にして接べし、葉は掌の大さにして、三つの尖あり、秋よく紅葉（そむる）ゆへ詩に丹楓といふ