梧桐科
引用
『梧桐科』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-03062)
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ID
M2005033015054713881
コレクション内カテゴリ
- 錦窠植物図説
書名
梧桐科
別タイトル / 旧書名
Vol. 010 梧桐科
巻次
010-094
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
木綿、ぱんや、此名恐くは攀枝斑枝等の音転なるへし、貝原の説に蛮語ならんとそれとも番語にパンヤの名聞及はす、亦蘿藦とは同名異物也、きわた、木綿樹【珍〓考引広西通志】、綿樹【潜確類書】、攀枝花【広東新語】、斑枝【同上】、板枝花【類書纂要】、攀桂花【明一統志】、龍花蕊【唐韻藻】、瓊枝【群芳譜】、波羅樹【唐書南蛮伝以上三名引芸苑日渉】、吉貝【嶺南雑記は木綿也、広群芳譜は草綿也】、コスセイヒウム、羅甸、キセーロン、同上、コットニュムムゴッサムヒニュス、同上、ホムベシイン、荷蘭、カツウンボーム、同上、ホウムウヲルレ、同上、木綿類凡三種あり、一は攀枝花、一は草綿、一は蛮産にして南山志の吉貝なり、嶺南雑記に木綿樹高者数丈葉如香樟、中略、正二月開大紅花如山茶而蘂黄色結子如酒盃、中略、名曰吉貝と云説に依て考ふれは時珍の説に合り、又広東新語に云へる処にては大樹とならす小木の如く見ゆ、此文に依てそれは前の説と合す、且花の開く時節各異り、正二月開と云、或は春夏開といい、秋に入て開と云、此所を見るに其土地の寒暖に因て相違せらる物と見ゆ、本邦へ木綿の渡りしことは類聚国史に延暦十八年七月有、蛮舶漂流至冬河、中略、言語不通使唐人見之曰崑崙人也、中略、請留仍置之大和国分寺、中略、其資物有棉種頒紀伊淡路讃岐伊予土佐及太宰府諸州播種とあり、此種天竺の品なるゆへ草綿にはあらさるへし、木綿の種なるへし、此の如く諸国に栽て伝らさるは暖国の品ゆへ寒地に合さる也、亦先年荷蘭人に命ありて木綿種を持来ることありて本邦諸国に賜といへとも皆枯といへり、此ことくなれり、本邦木綿樹は生育せさるへし、蘭山の説に近年蛮産の草綿を伝へ栽ゆ、苗の高さ丈余に至る種子小にして小豆の如く褐色なり、尋常の者は子円大にして色黒し、綿と子と粘して離れかたしゆへに赶車にかけて核を去る蛮種の子は綿と自ら離れて綿も尋常のものより強く布に織て益ありといへり、此品南山志に云る物と同物なるべし、同、舶来の物措葉なるゆへ花色詳ならす、葉も亦全形をなさざるゆへ詳かならす、実の形蘿藦に似て開くときは中より絮を吐す実円くして小豆の如く褐色なり、同、トト子ウスに栽る図形蘿藦に似て先キ三四弁に開き中より綿を吐せり、実は円くして小豆の如し
人名
岩崎灌園
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
備考
(灌)
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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