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コゴメノ一種、俗クモノヲバゴト云、大サ如図、常ノコヾメヨリ大也、ヒゲ二本、足六本、栗ノ木ニ生ス、コマカキモノ赤シ、卵カフンカ不詳、虫ノ色黒シ、ツブセバ血ノ如キモノ出ル／コヾメ／【烟霞綺談】、江州志賀郡別保（ベツホ）村に、蒲生（ガモフ）家の漁人に、南蛇井（ナダイ）源太左衛門と云ものあり、剃髪し浄元といふ、此者凶悪人にてその家に止宿の旅人あれバことことく殺害し財物を奪ふ、慶長五年関ヶ原乃落人此家へ多く宿し、皆害したり、とがめハ無之処、平日の悪事露顕によつて門前の柿の木に縛りつけ、七日肆（さらし）斬首セらる、村の者とも其からだを樹の下に埋む、翌年其木の元より人の形したる虫