自イ至ホ

日本語

｛【和訓栞　六】、朱書｝、かけらふ、蜻?をいふ、倭名鈔、日本紀に見ゆ、（和歌）童蒙抄に黒きとうバう、ちひさきやうなる物といへり、今も蜻?の一種、極めて細小なる物といへり、本草にも蜻〓ハ言其状怜?也と見へたり、水辺、木陰にすみて、その飛貌の款上と水に点し、閃火と電の如くなれハ、陽炎に比していへるなり、万葉集に蜻火とも玉蜻とも書て、かげろひとよめる也、かけろひの磐垣淵とつゞけたるも此義なるへし、玉蜻ハ蜻?か目を土に埋おけハ青珠となるよし、博物志に見へたりとぞ、又灯火の一名蜻?眼といへる事、家瑞記に見へたり○蜉蝣をいふハ蜻?より鴉したる也、かけろふの夕へをまたぬハ、文選に蕣栄不終朝、蜉蝣豈見夕と見へたり、よてまた今の俗蜉蝣を鵜貌ともいふめり○魍魎をよめるハ一説也、心得かたし○見にかけろふといふハ紺色也、人の爪の状したり○かけろふの小野ハ吉野の奥にありといへと、あきつ野をよみそこなひたるものにて、此わたりにハあらず

カゲロウ目

和訓栞