薔薇科　薔薇譜

Japanese

一種、きばら、わうごんばら〈江戸〉、形状はとやばらに似て花重弁黄色、又単弁もあり、ともに黄薔薇【遵生八牋】といふ、一種、木香花、すだれいはら、漢名一名、錦棚児【花鏡】、享保年中、漢種渡り園圃に栽ゆ、枝幹細長く、緑色にして刺なく、葉竹葉椒（ふゆさんせう）に似て狭く一茎五葉なり、春月花あり、一朶数十萼、形薔薇に似て千弁白色、香気甚烈し、これ時珍の説に小者名木香といふ、是なり、月季花、てうしゆん、かうしんはな、庭際に多く栽、木本にて直立す、一茎三五葉、牡丹はらの葉に似たり、花深紅色、四季に開く、又淡紅もあり、重弁もあり、又紅に白の筋あるもの、又白ちやうしゆん等数種あり、重修鎮江府志に月季花、其白者名牙春、又有晩白晩紅者亦竒といふ、一種、月々紅【釈名】、げつ、南海麗春【灌園草木識】、形状月季花と同し、但し毎月花あり、一種、うけうばら、｛（灌）、朱筆｝、形状月季花に同し、花淡紅にして深紅の筋あり、またさけうはらと云あり、形さくらばらに似て葉ハ月季花に似たり

岩崎灌園

（灌）