薔薇科　薔薇譜

Vol. 050 薔薇科　薔薇譜

伊藤圭介

Japanese

営実、薔薇、のいばら、｛（灌）、朱書｝、一種、かゝやんはら、天保年中カヽヤンと云異国ヘ漂流したるとき、実を採来り、其実より生したるものなり、形状薔薇に似て莟に鱗甲刺あり、花白色大にして玫瑰に似たり、一種、かいどうはら、間々紅【遵生八牋】、葉稍大にして花単弁、形玫瑰（はまなす）に似て小く初開くときハ白く、微紅を帯、漸淡紅色、後深紅色になる、形海棠花に似て香気あり、一種、こやはら、｛（灌）、朱書｝、七ノ六、花中輪の千弁にて淡紅深紅雑る、草木識に御愛花如十姉妹、純紅紫色と云、是なり、一種、白こやはら、枝葉野薔薇と同しくして花大千弁白色なり、草木識に白剪絨長条多刺甚尖銛、可植之茨牆、花千弁如薔薇、又名白薔薇、一種、さくらばら、葉大にして五葉をなし、花単弁淡紅色にて形桜花色の如し、一種、なにわばら、葉ハ山茶（つばき）に似て一茎三葉藤蔓甚長く、一丈余に及ひ、扁き刺あり、春単弁の白花を開く、形山茶に似たり、実甖の形にて刺多し、一種、はとばら、形状なにハばらに似て花紅色なり、一種、ほたんばら、八丈ばら、形状はとやばらに似て嫩葉紅紫色、花ハ千弁紅色、牡丹に似たり、又淡紅色もあり

岩崎灌園

10148304

470.3-I-50(68)

（灌）