槭樹科

Vol. 032 槭樹科

伊藤圭介

Japanese

尺に及ふ○砂糖を製すへき液を采るハ（樺樹に間々為す如く）春時多くハ第二月、第三月に方りて此樹より之を滴出セしむ○其法地上二尺許りの高さにて尋常の錐を以て斜に上に向ひ孔を穿つ、深さ半尺にして此孔の中に小き管を挿シ入る○又間々此樹に上法と同し高さにて斧を以て下より上に向ひて打込み、幅と深さ共に一拇（ドイム）許りなる孔を鑿り、此内に一片の樹皮の此孔よりハ稍広きものを以て之を挿む、此樋を伝ふて小管を用ふる如く其下に置く桶に其液滴り入る○此樹只一株より春月僅か一日の間に其液一「エムムル」二斗五升四合余を出す事稀ならず○其沸醸するに因て糖分の減耗す

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470.3-I-32(47)

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