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松柏科 松譜

引用
『松柏科 松譜』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-17102)
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ID
M2005033019514036784
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠植物図説
書名
松柏科 松譜
別タイトル / 旧書名
Vol. 139 松柏科 松譜
巻次
139-007
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
○海岸松の説、{農業雑誌カ忘、朱書}、万木の中最も祥瑞を以て称せらるゝ者を松と為す、蓋し松ハ龍骨虎髭蒼々相秀で、其雄壮愛すへきなり、雨に虐(きやく)せられず、風に害せられす、霜に凌ぎ、雪に傲り、三冬の沍寒に逢ふも其操を秉(とつ)て屈撓せず、其堅心勁節称すべきなり、月来れば珠璣を綴り、風過ぐれハ簫籟鳴り、雲を拏み、鶴を宿せしめ、清影濃陰、人間夏あるを覚えざらしむ、其閑雅の趣き喜ぶべきなり、是を以て文人と俗客とに論なく、皆争て之を愛玩し、或ハ仮山に植ゑ、或ハ盆栽と為し、或ハ山林原野の間に栽ゑて脂を取り、油を取り、伐て薪となし、削りて柱となし、鋸して板、若くハ貫となす、珍重無比の良木と謂ハざる可けんや、松ハ南半球中にて独りカナリヤ島に在る而已にて他の地方にハ之を産せされとも、北半球にてハ到る所に茂生し、我国如きも赤松あり、白松あり、黒松あり、五葉松あり、落葉松あり、ひめこ松ありて皆人に珍重らせる、然れとも松の種類ハ甚た多く、之を大別するも猶七十余種に及ぶ者なれば、未タ我国に伝ハらざる種類にして大いに世の用を為すもの少なしとせず、吾輩乞ふ、海岸松の性質及ひ効用等を詳述せん、海岸松ハ地中海浜に生する良材にして、洋名之をピニュスマルチメ又はピニュスピチストルと云ふ、元と欧州の産木なれとも、其効用多きを以て今や亜細亜、阿墨利加の各地方に移植せられて、大いひに利益をなす、我山林局にても向(さ)きに其種子を海外より取寄せ
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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