松柏科　公孫樹譜

日本語

○公孫樹ヲ以テ葡萄園防風樹ト為スノ説、｛【林学協会集誌　十号】、朱書｝、公孫樹ノ材ハ其色淡黄、其質堅実ニシテ木理極メテ緻密観美ナリ、而シテ其材ハ以テ建筑ノ諸用ニ供スヘシ、又園亭ノ顔額（ガクメン）トナシテ雅致アリ、以テ印板トナスヘク、以テ棋枰（ゴハン）トナスヘク、以テ家具ヲ作ルヘシ、且頃日聞クニ横須賀造船所ニ於テ該樹ノ材質ヲ試験セラレタリシニ、其艦材ニ適用スル他ニ比類ナシト、之ヲ以テ方今其製作ニ供用スル頗ル夥多ナリト云フ、要スルニ該材久シク海中ニアリテ水虫ノ侵蝕ヲ受ルコトナキニ因ルナリ、又該果ハ煨シテ啖フヘク、煮テ羮トナスヘシ、味頗ル甜美ナリ、子肉ハ以テ渋汁ニ代用シ、又以テ駆虫剤（クチウサイ）トナスヲ得ヘク、其葉ハ採テ書籍中ニ挟ムトキハ能ク蠧虫ヲ生セサラシムルノ効アリ／○銀杏、上座郡に多し、雄木にハ実ならす、三角なる実をうふれは雄木となる、うふへからす、小児に食ハしむへからす、飢人是を粮にして多く食へは腹はりて死す、性よからす、｛【筑前■後風土記】、朱書｝／此君書楼詩鈔ニ銀杏ノ詩アリ、柊前可引秘ノ句モナシ、銀杏参■護古合樹、ソノ喬木ナル■■ヲ云／廿四年九月廿二日ニ■中、輸出ノ■■銀杏三■

「伊藤圭介」の朱印