松柏科

日本語

｛松柏科、朱書｝／笏ニ一位ノ木ヲ用ルコト八雲御抄、山部、くらゐ、いやたかの岑六位笏木伐之ミ山也、又三玉集飛騨の国司にて基綱卿位山の一位の木を笏の料にのほせられしトキ御こたへに、位山ミねちうきまて我こえし道をハ君か手にとりてミねトアリ、一位木、今飛騨ノ国ヨリ箸ナトニ作リテ都に来ル、木ヲイチヰト云ヘト櫟にアラス、アラヽキナリ、物産者流ノ説ニ広東新語ニアル水松ト云モノニ形似タリ、位山ニ生スルヨリイチヰノ名アルナリト云リ、又櫟モイチヰニアラス、トンクリノ類ナリト云ヘトコレハ後世に物産ノ精シクナリシユリノ論ニテ、既ニ和名杪ニ櫟ヲイチヒト訓シ、松尾ノ摂社櫟谷ヲモイチヒタニトヨムカラハ、往昔ヨリ櫟ヲイチヒト云カ俗ナルヘシ、今更ニアラタムヘキニアラス、イチヒノ仮名、昔ハイチヒ、中比ヨリイチヰトカケリ／｛右梅窓筆記ニ出、梅窓ハ実梅宮祠官橘香菓第也、文化三年、朱書｝