蘇鉄科

日本語

摂泉堺妙国寺蘇鉄略縁起（せつせんさかいめうこくしそてつりやくえんぎ）、蘇鉄略縁起（そてつりやくえんぎ）、抑（そもそも）当山に在之（これある）名木蘇鉄者当初摂河泉（そてつというハそのかみせつかせん）三州（しう）の領主（りやうしゆ）三好豊前守之康道号実休（よしぶぜんのかみゆきやすどうごふじつきう）堺住居の砌（みぎり）、庭前（ていぜん）に翫（もてあそひ）し名木也、然るに実休当山開祖僧正日珖（とうさんかいそそうしやうけう）上人の法理を深信（ふかくしん）じ、伽藍（がらん）を建（こん）立せんがため、安居（あんきよ）の地を以日珖に寄附（きふ）せり、其時庭前（ていぜん）のそてつ其侭（そのまま）にて寄附す、其後伽藍成弁（そののちがらんしやうへん）して、広普山妙国寺（くわうふさんめうこくじ）と号（ごふ）す、依之院庭（ゐんてい）にあるなり、此蘇鉄初生已来幾（しよせいよりこのかたいく）千歳といふ事を知らず、一根にして地上江出る事大小廿三本と別（わか）れり、大枝三十九本、小枝八十八本、直（すぐ）なるあり、斜（なゝめ）なるあり、伸（のび）たるあり、縮（ちぢ）めるあり、向枝（むかふえた）あり、背（そむく）枝あり、惣めぐり弐丈五尺、高さ弐丈余、枝のめぐり壱丈弐尺のものあり、次なるハめくり九尺にして長（たけ）壱丈九尺余なり、わたり東西三丈九尺、枝葉広庭（ひろにわ）／一

摂和泉堺妙国寺蘓鉄略縁起