松柏科

日本語

発ス、国ニヨリ積雪中ニ蒔ケバ自然ニ湿テ春ノ雪解ノ時下ニ落テ発生セリ、樅ノ種子ニ土ヲ厚ク覆フハ却テ悪シ、二三分ノ土ヲ覆ヘハ足レリ、苔ノ中ニ交テ置モ可ナリ、小苗木アル所ニ交雑大木アラバ、八九尺一丈許下枝ヲ伐バ風流通シテ可ナリ、蕨其他乱草アラバ根ヲ擘破シテ蒔テ可ナリ、荊棘モ蔭ニナレバヨシ、若シ樅忽チ成長スレバ、他ノ雑草ヲ枯シテ独直長ス、峻山ニ蒔クニハ枯枝断株其他蔭ニナルモノヽ際ヘ蒔ベシ、雑草ノ蕃生スル山ハ畦ヲ為セバ、両側ノ草蔭ニナリ能ク成長ス、畦中ノ草ハ取ルヲ善トス、凡ヘテ蒔ク時ハ其山林ノ景況ヲ考ヘ注意シ蒔ク事第一ナリ、荊棘蕨薇覆盆子其他少シク蔭ニナルモノアレバ、蒔タル種子生スルモノナリ／樅｛（モミ）、朱書｝、高木、葉は椎のことくあらくして、花見るかひなし、木は材木となるなり、姫子樅、葉こまかくつまりて、枝多く出て差支よく立花に遣ふ、花見るにたらす、実小さく丸なり、表白、姫子の如く葉つまり付て、葉の表白く粉を吹ことくなり、つが樅、葉細く多重りとしげる、是も立花によきと云ふて遣ふなり、立によく延る木也／｛モ廿、朱書｝／モミ、土杉、俗称、温杉、仝、柳杉、仝｛【享保復言】、朱書｝