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蕁麻科 楮栲譜

引用
『蕁麻科 楮栲譜』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-13343)
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ID
M2005033018272931984
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠植物図説
書名
蕁麻科 楮栲譜
別タイトル / 旧書名
Vol. 107 蕁麻科 楮栲譜
巻次
107-075
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
国風土記に見えたる吾我津姫命の古事の如きは、各々其神名に顕はれたる国名なれは今云ふまでもなき事なるが、神代紀に初メ五十猛神天降之時、多将木種而下、然不殖韓地尽以持帰遂始自筑紫凡大八洲之内莫不播殖、而成青山焉、所以称五十猛神、為有功之神即紀伊国所在大神是也と見え、神名式紀伊国名草郡伊太祁曽神社名神大月次相甞新嘗と有りて、此大神は神代に木種を播殖給ふ神なれば木神と称へ其神の鎮座す国ならば、木(キノ)国と唱へ来れるにて、此は神名より起りて国名に顕はれたり、此伊豆の国号の火の神の神徳より起れども、神名に顕はれざるも同し例と云べきものなり、そもそも上件の事ども、熟々考へ見れば実に斉しくあやしきまでに、火神の御事実に符合(カチ)ひて、小縁の事に非ず、疑なく神名帳に載せたる田方郡火牟須比命神社に坐(オハ)すべしと思ひ定めつれハ、如此考証を書輯めて、高き御判定を乞白すになむ、 (了)/ユフとモメンとの弁 並に綿種渡来の事 東京 東宮鉄麿/我国太古よりユフといふ物ありて、古書に木綿の文字を当てたるより、世の人之を今のモメンと同じ物と思ひとりて、動(ヤヽモ)すれバ木綿(モメン)は太古よりある物なりとひが心得するものなきにあらねば、今ユフ(傍線)とモメンは別物なることを説き、併せて綿種は我国固有の物にあらざる事を明すべし、ユフは楮又栲といふ即ち古の穀木の樹の皮を晒して、作りたる一種の繊維の名にて、専ら楮布を織る材料に用ゐるものにして、太古より我国人の使用せしものなることは、日本書紀神代上巻(天石窟の条)に、堀天香具山之真坂木、而中略下枝県以粟ノ国ノ忌部遠祖天日鷲所作木綿と見え、古語拾遺(天石窟の殷)に、令天日鷲神以津咋見神ヲ殖穀(カヂ)木種以為白和幣是木綿也云々と見え、豊後風土記(速見郡の条)に、柚富(ユフ)郷、此郷之中栲樹多生、常取栲皮以造木綿、因日柚富郷と見え、宝基本記にも謂以穀木作白和幣名号木綿(ユフ)など見え、其他万葉集等に、木綿畳(ユフダヽミ)木綿(ユフ)手次木綿(ユフ)■などあまた見えたるにて著し、然るに本居宣長翁は、木綿は穀木皮以て織れる布なり、と云へるは誤りなり、(尤も下文に又未だ織りはせで、たゞ糸にしたるまゝなるをも用ひたりと見ゆと云へり、)もし織れる布をいふ名ならば、いか(雑誌切り抜き「ユフとモメンとの弁 並に綿種渡来の事 東京 東宮鉄麿」)
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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