楡科 欅譜
引用
『楡科 欅譜』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-13229)
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ID
M2005033018243831868
コレクション内カテゴリ
- 錦窠植物図説
書名
楡科 欅譜
別タイトル / 旧書名
Vol. 106 楡科 欅譜
巻次
106-041
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
欅、一名欅柳、鬼柳、爾雅柜柳●弘景曰、欅樹山中処々有之、皮似檀槐、葉如櫟檞、人多識之●恭曰、所在皆有多生渓澗水側、葉似樗而狭長、樹大者連抱、高数仭、皮極粗厚、殊不似檀●宗奭曰、欅木今人呼為欅柳、其葉謂柳非柳、謂槐非槐、最大者木高五六丈、合二三人抱之、胡南北甚多、然亦不材也、不堪為器、嫩皮取以縁栲栳及箕唇●時珍曰、欅材紅紫作箱案之類甚佳、鄭樵通志云、欅乃楡類而枚烈、其実亦如楡錢之状、郷人采其葉為甜茶●大和本草曰、欅(ケヤキ)、槻ト一類也、処々ニ多シ、箱ニ作リ案(ツクエ)ニ作ルコトヲ本草ニ時珍云ヘリ、良材ナリ、日本ニモ多ク用之、冬ハ葉落ツ△外ト書シテ槻(ツキ)、江陰県志云、槻質堅而勁、多葉繁陰、人家門巷多樹之、葉モ木理モケヤキニ似タリ、葉ヲ見テハ別チカタシ、只木理ヲ見テ別ツ、一類別物ナリ、葉ハブナノ木ニモ似タリ、古ハ槻ニテ弓ヲ作レリ、槻弓ト云、字藁云、槻ハ木名堪作弓材●用薬須知、一本堂薬選共ニコレヲノセス/ケ一/{ケ一、朱書}第二濶葉樹ノ部、{【十年博覧会解説】、朱書}、欅、〈武蔵〉〈飛騨〉〈陸中〉〈信濃〉〈常陸〉〈相模〉〈伊予〉〈岩代〉〈陸奥〉〈越後〉〈土佐〉等ノ産、樹性頗ル陰湿ノ地ヲ悪ム、故ニ多ク山腹ニ生ス、日向ヨリ出ルモノヲ最良トス、子実ヲ採収シテ細砂中ニ貯ヘ、翌年春分ノ後ニ至リテ予シメ苗地ヲ耡耙シテ之ヲ撒下シ、発生ノ後水肥、米泔汁、腐水ノ類、肥土ヲ適宜ニ施シ、且雑草ヲ除キ、又霜雪ヲ防キ、明年春分ノ候漸次ニ移植ス、又自生ノモノヲ移スニハ其根ヲ堅植シテ屈澆セシメサルヲ要ス、自生ハ雑草ヲ耘ラス、落葉ヲ掃ハス、只虫害ニ注意スルノミ、或ハ斫伐シタル根株ヨリ叢生セル藁芽ハ数年ノ後、其二三ヲ存シテ他ハ悉ク剪伐スヘシ、二十年ニシテ其材稍用フヘシトイヘトモ、七八十年以上ニアラサレハ舟■棟梁ノ用ニ供スルニ足ラス、其喬大ナルモノ或高十丈許、周丈余ニシテ数百年ヲ保ツモノアリ、然レトモ凡ソ二百年乃至三百年ヲ以テ伐期トス、効用、材質極メテ堅硬ニシテ淡紅紫色ヲ帯フ、木理ハ密ナラサレトモ能ク重キニ耐ヘ、且久キヲ経テ朽敗セス、故ニ船艦、橋梁ト作スヘク、柱棟及屋牮(ウシ)トナスヘシ、其他櫈子(コシカケ)、卓子(ツクエ)ノ類ヨリ百般ノ器械ニ用ヒテ堅牢ナリ、其灰ハ陶匠(セトモノシ)用フル所ノ紬薬(ウハクスリ)ノ一タリ、又其嫩皮ハ箕唇(ミセノクチ)ニ縁ス、ボタンケヤキ、〈因幡〉〈陸前〉等ノ産、此欅ノ木理自ラ花紋ヲ為ス、故ニ此名アリ、又玉理ト呼ヘリ
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション
伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界
日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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