桑科

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○【蘭畹摘芳四編　巻之七】、柘、三代実録、延喜式に見へたり、是柘木にて削たる弓也、和名抄、和名豆美（ヅミ）とあり、柘の字俗につげとよむハ誤り、つけハ黄楊木也、柘ハ俗に野桑と云、葉も桑の葉に似て葉の端にきれこミたる所なし、実も桑の実に似たり、桑柘とつゝき称して、桑と同類なる物也／ヤマカゾ、楮ナリ、山野自生多シ、此皮ヲ以テ漉紙ハ色悪シト云フ、湯舟沢ニ紙漉家十三軒アリ、｛【木曽採薬記】、朱書｝／｛桑ニ附、朱書｝柘弓の事、｛【四季草】、朱書｝、柘（ツミ）の木にて削たる丸木弓なり、和名抄柘豆美ト有、一名野桑（ノクワ）トモ山桑（ヤマクハ）トモ云、桑に似たる木也、桑柘とて桑と同類の木也、桑の葉は切レ込たる所有、柘の葉は切込なし、丸して葉少しとがりあり、桑柘共ニ蚕ニ食したる也、桑ノ弓蓬の矢の事、礼記の内則の篇ニ見たる事也、是ハ男子の生れたる時の祝ニ桑の弓に蓬の矢六ツを取揃て天地四方を射る也、其子生長して武功を天地四方にあらハすへき事を祝て射る義なり、蓬の菫ハ弱し、軽キ物なれは夫ニ応して桑の弓を細キ桑の枝を以て弱く造る成へし、桑弓蓬