樟科

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【中外木材新報　第七号】似桂辛油（ニツケイシンユ）、東京石鹸社、天竺桂（ヤブニクケイ）也○似桂辛油ハ元来当社発見の物品にして既に東京府勧業雑誌第十五号に其由を記載せられたり、此油、石鹸製造をなすに緊要なる原品にして御国産の一端なり、然れども開けたる地方ハ甚た稀にして多くハ空しく出林幽石に埋もれ、亦幸に油になりたる品あるも下等の蝋燭を製せんか為め生蝋に加えヘ返って其品に害を与ふ、是似桂辛油の便用の開けざる故なり、此品の質たるや蝋の姿にして蝋にハ非らず、全く油分故に熱に逢ふ時ハ直ちに溶解す、石鹸に用ゆる時ハ其功幾倍し洋品の椰子油に代るを以て輸入の何分を減ずるのみならず、御国産の一端を挙るに足る由てハ此植物の産する地方の諸君へ比条を陣述し普く廃品を興起せんことを希望す、下略、第三条、黒き上皮を去る仕方、一芋或ハ蕪などを洗ふ如くにす、譬バ樽の内に入れ板の類にて洗擦する時ハ容易にむけ手数の掛るものに非ず、第四条、搾油の時期、一此実を充分（ジウブン）乾かさゞる時ハ積置く中（うち）に蒸れて害を生ずることあり、蒸たる品ハ油にしぼりたる時余程の減りを生ず、又