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玄参科

引用
『玄参科』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-11777)
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ID
M2005033017521730416
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠植物図説
書名
玄参科
別タイトル / 旧書名
Vol. 092 玄参科
巻次
092-040
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
置もの故、他の材と異て其有余ハ更に望す、返て有余あるハ白人切とて其価を減して無に入れかたし、是桐を仕立るものゝ大に秘すへき処なり、尚悉くハ余か著す国益産業記に詳にす、得て見るへし/{キ八、朱書}、白桐(キリ)〈陸奥〉〈信濃〉〈河内〉〈武蔵〉等ノ産、{【十年博覧会解説】、朱書}、砂土ニ柔土ヲ和シテ常ニ朝陽ニ向フ処ヲ好ミ、海岸、山嶽等平日烈風アル地ニ生育セス、子実極メテ軽虚ニシテ蝿羽ノ如シ、故ニ之ヲ撒下スルトキハ宜ク瓦石類ヲ其上ニ覆ヒテ飛散ヲ防クヘシ、木性健強ニシテ数歳ヲ経ルモ能ク其生機ヲ保チテ之ヲ失ハス、〓木モ亦可ナリト雖トモ播実ヲ最トス、根株ヨリ蘗生スルモノ其長スルコト殊ニ速ナリ、時々稀糞ヲ灌クヘシ、濃肥ハ却テ害アリ、厨下泥水ノ類可ナリ、初生ノ時ハ直木ヲ添ヘテ之ヲ結束スヘシ、若樹形斜曲ナルモノハ立春ノ候之ヲ伐採シテ籜皮(タケノカハ)ヲ以テ其遺株ヲ包ムヘシ、則再蘗芽ヲ発スルニ初生ヨリ三四年ニシテ之ヲ伐ルトキハ蘗芽再発シテ能ク亭立スルモノナリ、三四十年ヲ伐期トス、効用材質柔軟ニシテ軽虚、白色ニシテ綺文アリ、且材トシテ蠧ヲ生セス、故ニ衣櫃トシテ上等トス、棟梁ノ用ニ堪ヘスト雖トモ琴瑟、諸器トナシテ甚佳ナリ、又焚テ灰トナシ火薬ノ料ニ充ツ/桐、有青白黄諸種、清明不華歳大寒謝元暉有詩、【義烏県志 巻八】/{キ八、朱書}/桐、〈武蔵国豊島郡稲附村〉、{【十年博覧会解説】、朱書}、種栽、春分ノ頃栂指大ノ桐根ヲ二寸余ノ長サニ截リテ地中ニ埋メオキ、二年ヲ経テ之ヲ移栽スルコト毎反、凡三百株寒時肥料ヲ施スコト凡十荷、翌年春分前又施ス、桐ノ性夕日ノ反射ヲ忌ム、動モスレハ之カ為ニ樹皮焦枯ノ恐アリ、故ニ西ニ日ヲ遮蔽(フセグ)スルノ地ヲ要ス、三年ニ至リテ始メテ其苗ヲ伐ル、是ヲ台切(ダイギリ)リト云フ、此方法ヲ用フルトキハ生長尤速ナリ、凡十年ニ至テ囲一尺五寸許トナリ、三十年ニシテ三尺ニ及フモノナリ、桐苗〈相模国鎌倉郡上野庭村〉、{【十年博覧会解説】、朱書}、種栽、十一月桐條(キリノエダ)ヲ伐リテ長七八寸トナシ、圃(ハタケ)上ニ細溝(ホソミゾ)ヲ穿(ウガ)チ、深五六寸、先ツ人糞、或ハ米糠、乾鰛(ホシカ)等ヲ投シ、其枝ヲ挿栽ス、各相距ル一尺五六寸、翌年三月ニ至リテ萌芽ス、苗生出尺余ニ及フトキ、根傍キ穿チテ糞汁ヲ澆キ、十一二月三四尺ノ長サニ至レハ更ニ之ヲ掘リ起シ、其根五六寸ヲ留存(トヽメ)シテ悉ク其余ヲ断截ス、而シテ翌年一二月ノ候西南風ヲ避クヘキ地ヲ撰ヒテ之ヲ移シ、曩ニ断截セル余根ヲ栽培スルコト前次ノ如シ、斯クスルトキハ其生長スルコト挿條(サシキ)ヨリモ迅(スミヤカ)ナリトス、毎年三月中旬苗間ヲ耘耡シ、後廿日毎ニ又耘耡スルコト五回
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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