石南科　躑躅譜

日本語

キリシマツツジ、花稍小ナル者ハ色大坂ダネヨリ深紅也、名古屋ニキリシマト称（■、訂正）シ昔ヨリ■伝ワル者ハ此品也、大坂ダネハ追テ来ル者也／○霧島躑躅、花極上紅あり、中紅あり、淡紅あり、開花三月末、｛【剪花翁（伝）　二】、朱書｝、育方升水等二季咲つつじに同し、又紅の大霧と略し呼ものあり、紅色抜群にして葉の色青緑に皃（かた）ち大きく堅くして光あり、至て佳花也、又薩摩といふあり、花中淡紅なり、又平戸といふあり、白花にして葉の色も淡し、中品なり、又雲山といふあり、白花にて淡紅の隅入也、葉の皃ち白頂花のごとく岩桔梗に似たり／（キ）、キリシマツヽジ／躑躅■中ニ入レ躑躅ハ高サ六尺ニ過ザレドモ幹経殆ド尺ニ近キモノアリ、皆曰、蓋シ千年以前ノ物ナリト、田代ノ霧嶋山ノ記、按躑躅ハキリシマノコトカ／きりしま、種類多し、長生花■抄に見へたり、黒ぼく土によし、真土湿地ハ悪し、二八月頃赤土へ挿べし、折々米甘水を澆てよし、｛【草木育花】、朱書｝／キリシマ山、山■サ、キリシマ、アル■■、花小ク木■■■