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石榴科 桃金嬢

引用
『石榴科 桃金嬢』(名古屋大学附属図書館所蔵)「伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界」収録(https://da.adm.thers.ac.jp/item/n002-20230901-09031)
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ID
M2005033016594225671
コレクション内カテゴリ
  • 錦窠植物図説
書名
石榴科 桃金嬢
別タイトル / 旧書名
Vol. 062 石榴科 桃金嬢
巻次
062-066
本文言語
日本語
翻刻・翻訳
分ち、数十顆子を結ふ、蒂長くして末烈(さけ)て中の子顕(あらハ)る、形瑞香花に似て黄褐色な、馬志の説に丁香生交広南番、按広州図上丁香、樹高丈余、木類桂葉似櫟葉、花円細黄色、凌冬不凋、其子出枝、蕊上如釘、長三四分、紫色と云、能この説に合ふ、又同書に丁香花の図あり、枝の梢に二三花を開く、形錦帯花に似て蒂緑色、淡紅色にして五六の弁あり、中より淡青色の蕊を生し、黄色の点あり、これ珣の説に丁香生東海及崑崙国、二月三月花開紫白色と云るに合り、大和本草に薬肆に煎したる滓を売ることあり、えらふへし、久しくなりて香薄きハ酒にひたせハ香生すと云り、丁香ハ別に貴賤なし、中島も品位の貴賤さしてなし、新を佳とし、尤も商家にハ乾けるを好といへとも売用にハ肥大にして、斤目重くなるを好むゆへ、焼酒或ハ濃茶を灌き物を以て覆ひ、一宿を経て取り出し肥大なるを売用とすといへり、丁皮、丁香の樹皮也、田村氏氏の説に、丁香皮の形、肉桂の如く厚く、香丁香の如くして烈しきもの也、爛飯丸の方中に入る、中を温め食を消化する功あり、一種偽物の丁香皮あり、外ハ丁香の香気あれとも、内は肉桂の香気あり、これハ咬〓吧肉桂を以て偽り造る、薬用にハ入るべからす、本経逢原にハ丁皮を以て肉桂を偽るとあれとも、今丁香皮少きゆへ肉桂を以て丁皮と偽ること大に異なりといへり、丁香、一本の蘭書に載る図、其葉茵芋に似て穂の形和俗称する処の崑崙花の如く枝幹節々紅紫色、子も又紅色、形ハ前図に同し、一種、蘭人シイボルト持来る物の図、天竺に産する処の品のよし、一種、舶来のをし葉の図、葉の形柿の葉に似て大に葉の本に房をなして花を開く、形小く前条の図に似たり、鶏舌香【釈名】、亭尖独【本草和名】引丹口訳、舶来の実の図、長さ七八分にして形框の実の如く鼻三四弁あり、紫褐色なり、此品菓子の用に入れ、薬用にハ宜しからす、雷敦の説に雌なる物、大さ如山茱茰、名母丁香といへり、華夷花木珍玩考に唐木注を引て雞舌樹葉及皮並似栗、花如梅花、子似棗核、此雌樹也、不入香用と云り、丁香、舶来の実の図、形すいかうの花に似て紫褐色、長さ五六分、先に花の実の如きものあり、香気よし、鶏舌香、リグヌムインチキスム、羅甸、インチアンセホート、荷蘭、物印忙に載る図、葉ハ楮に似て互生し、枝の間に実を結ふ、形石榴に似て小にして黄褐色なり
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
メタデータ提供者
名古屋大学附属図書館
資料種別
和古書
画像有無
カラー
コレクション

伊藤圭介文庫 錦窠図譜の世界

日本における近代植物学の祖といわれる伊藤圭介の稿本(手書き本)188冊を集めたもので、その中には、錦窠植物図説、採草叢書の他、錦窠魚譜、錦窠虫譜等があります。
所蔵機関
名古屋大学附属図書館
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