薔薇科　薔薇譜

日本語

月季花、和名、長春イバラ、長春イハラホタン、【蘭山記聞】、｛江西人　亀協従、朱書｝、四季ノイバラ也、庭際ニ植ユ、サン木ニシテ附ク也、根ヲ植レハ枯ル、薔薇ノ類也、薔薇ハ八葉七葉、本条ハ七葉三葉交ルナリ、サテ花五月許一度咲ハ薔薇也、四季ニ咲ハ本条也、俗ニ庚申花ト云、庚申ノ頃咲故也、一重ニシテ赤キアリ、大輪ニシテ淡赤ナルアリ、コレヲ八丈イハラト云、又千葉ノ赤キアリ、又初メ白ク段々ニ赤クナル、濃クナルアリ、一種毎月花咲アリ、釈名ノ月々紅也、和ニ稀也、江戸ニハアリ、同名アリ、黴瘡秘録ニ月々紅ト云モノハ落髪也、一種サンセウイハラ、イサヨイイハラト云アリ、是ハ葉クシテ山椒ノ葉ニ似テ寒中ニ赤色千弁ノ花ヲ開ク、一方カケテアリ、故ニイサヨヒノ名アリ、是ハ釈名中ノ闘雪紅色、釈名皆一ツニシテアレドモ別ニスヘシ、本条一名長春花【群芳譜】、月経【汝南圃史】、月々紅、月桂【典籍便覧】借音、ばら、月季花（ちょうしゅん）ハ四季花あり、ちょうしゅんの絞りを右京ばらと云、又薔薇ハ花単にて小く、香気あり、薬に用、又重弁にして紅花なるものあり、黄薔薇ハ花黄ばみを帯るもの也、｛【草木育種】、朱書｝、酴釄（こやさぎ）ハ形状玫瑰に似て長大なり、花白して千葉（やゑ）なり、又冨士山に産するたか根はらハ形玫瑰に似て甚だ細く刺多し、花小く淡紅なり、其外はら類多し、何レも十二月正月或梅雨中に勢ひよき枝を三四寸に切て挿バ能活なり、真土又赤土もよし、暑寒に人糞を澆べし、花鏡曰、太肥則脳生莠虫以煎銀舗中爐灰撒之、則虫自死、夏間有黒翅黄腹小■虫名鐫花娘子ト、以臀入枝柳生子、三五日後出細青虫、而觜黒者食葉傷枝