桜譜

日本語

サクラ、ケルセン、紅毛、イロミグサ、サクラトハサキクラブルヽナリ、其花一度ニ開ノ心トイヘリ、又裂（サクル）ナリ、老木トナレバ皮自ラ破レ裂ルナリ、故名、吉野山ハ桜ノ名所にして山頂ノ花長ク相続テ開故、山桜ヲ雲井草、尋見草、吉野草と云、桜ノ花は二日催て開くと云俗伝アリ、故に催草、二日草と云、是附会ノ説なり、一重桜は花ノ薫りわづかにして三　間也、故に名又さらしくさ、あたな草、ゆめミくさの名あり、未詳○吉野桜ハ三月節ヨリ七十五日めの頃さかり也○【国薬須知】サクラカハ、主治痛風痔瘻脱肛ニ宜シ、又魚毒を解す、宝暦甲戌六月敬斎主人述／｛以上耊筵小牘也、朱書｝