梅譜　食用

日本語

新唐梅ハ八重の紅にて裏のあかき事たとへハ猩円子のことく、それゆへこの花のみきに出るものなし、花■ハはやき方なり、明石ハ八重の淡紅なり、色難波に似て花よほと大輪にて光沢を帯り、咲事ハ速き方也、紅筆ハ単の大輪にて莟のくちハ筆の頭の如く尖りたる先へ紅をあらハセリ、是ハ咲事はやき花、緋桃梅ハ八重の紅梅にて色殊に深くかつ艶なり、鬚ハしたる也、仙裳梅は単のしたにしてはしめハかへたる掌花なり、仙掌に玉露をおくるに比して■■を帯り、花■する頃ハ弁すこしく皺紋をあらわし裏へひるかえる気味あり、香気甚高し、枝蔕ともに至極赤し、関八州は大輪の八重にてほゞ長有川に似て長有川よりもまた大輪なり、花の艶色も鮮明と言ふへし、花咲事速き方なり、門隠は大輪の八重にて粉白色なり、つほミのふちハ紅なり、木ハなんこのことし、李■て花つき少し至■速き花なり、尤枝をきる事をにくみて甚やしなへ難し